なぜ?コロナでイノシシ増加 キャンプ利用中止、再開めど立たず

皿倉山系のふもとにある北九州市立畑キャンプセンター(北九州市八幡西区畑)が、イノシシが昼間でも出没して危険だとして利用中止となっている。当初、新型コロナウイルスの感染防止のため3月上旬から6月中旬までを利用中止としていたが、イノシシの出没頻度が増えたため中止を継続している。市によると、利用者がおらず人けが薄らいだため、イノシシが出没しやすくなった可能性もあるといい、再開のめどは立っていないという。

同センターは畑貯水池のそばにあり、敷地面積は約2万8千平方メートル。自然豊かな環境で、八幡西区黒崎地区から車で約30分で行くことができるため、市は「都会の中の大自然」とPRしている。バンガロー9棟(定員計50人)やセンター棟(4部屋で定員計70人)、屋外炊飯棟、屋外トイレ棟、芝生広場などがあり、昨年度は約2600人が利用した。

今年は新型コロナウイルスの感染防止で3月5日から6月18日まで利用を中止。ただ5月ごろからイノシシが昼間でも出没し、屋外トイレ棟や屋外炊飯棟でも確認されるなどしたことから、6月19日からの再開も断念した。
市によると、イノシシは昨年も出没していたが、今年に入って出没頻度が増えたことから、危険度が高まったとしている。管理を担当する八幡西区役所コミュニティ支援課は「コロナによる利用中止が3カ月以上続き、人けが薄らいだことからイノシシが出やすくなった可能性もある」と話す。

市は再開を目指し、イノシシによる被害が起きないよう、わななどの対策を検討するが決定・導入はまだ先で、再開時期については「できるだけ早く」と述べるにとどまっている。
市立のキャンプ施設は市内に畑キャンプセンターを含めて9施設あるが、市によると、残る8施設はイノシシ出没の情報はなく、稼働している。 (西山忠宏)

9/17(木) 11:12 西日本新聞
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