住民悩ます迷惑餌やり、タカでハトやカラス撃退

大阪市住吉区の住宅街で数人のグループがネコやハト、カラスに勝手に餌を与える行為を10年以上続けていた問題で、大阪市は4日からタカを使ったハトやカラスの駆除に乗り出した。約1カ月間に10回程度の放(ほう)鷹(よう)を予定している。タカを使った害鳥対策は全国でも珍しく、市は「ハトやカラスが集まらない住民の平穏を取り戻したい」としている。

4日午前6時半ごろ、同区のJR我孫子町駅近く。集まっていた約10羽のハトを目がけ、鷹匠(たかじょう)の安井寛さん(49)がハリスホークの「粋(スイ)」(雄、8歳)を放つと、ハトが慌てた様子で飛び立っていった。粋はその後も、フェンスに止まり、鋭い目つきで“にらみ”を利かせていた。

大阪府警は8月、餌やり後の清掃に使うためマンションの水道を無断使用したとして、男女2人を窃盗容疑で逮捕した。市などによると、餌やり行為は同区内の10カ所以上で行われ、100羽ほどのハトやカラスが住宅街を飛び回り、民家の屋根や道路などに糞(ふん)や食べかすが散乱するようになっていた。

逮捕後、餌やり行為は減ったが、依然としてハトやカラスはこれまでの習慣から住宅街に集まっていた。

こうした状況の中、松井一郎市長から「タカを使った鳥害対策に取り組む自治体もある」との提案もあり、市はタカによる鳥害対策を手がける「グリーンフィールド」(同市西区)に協力を依頼。4日は午前5時半から約2時間、住宅街で電線などに止まっているハトにタカを放ち、群れを追い払った。

市生活衛生課の担当者は「住民を長年悩ませていた鳥害にタカで終止符を打てれば」と話した。

9/4(金) 16:51  産経新聞




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