クマ、出没に注意!エサ不足とコロナの影響で人間が“巣ごもり”し人里へ
秋田県で注意報が発令されるなどクマの出没情報が全国各地で相次いでいる。背景には木の実などのエサ不足に加え、新型コロナウイルスの影響を指摘する声がある。
本紙が行政機関などのSNSを確認したところ、23日は少なくとも群馬、長野、富山、石川各県内で目撃情報があった。秋田では例年より目撃情報が増加したことを踏まえて「ツキノワグマ出没に関する注意報」が発令中だ。
「全体の統計はまだ出ていないが多い印象があるのは確か」とクマの生態を研究するNPO関係者は語る。その一因について「コロナで人間が“巣ごもり”するようになって、里山の草木が普段より茂っている。クマにとっては身を隠すエリアが広がったことで、食べ物が豊富な人里に近づきやすくなったのではないか」と指摘。さらに「クマは警戒心が強いが、人里に出てもコロナ禍で出歩く人の数が減ったことからエサをあさりやすくなった」と分析する。
懸念されるのは人身被害だ。日本に棲息するツキノワグマやヒグマは鋭い爪と大きな歯を持っていて、時速40キロの速さで走ることができる。人間を攻撃するのは基本的には防衛目的とされるが、16年に「スーパーK」と呼ばれた人食いグマが世間を震撼(しんかん)させたことも記憶に新しい。
環境省のクマ類出没対応マニュアルによると、万が一遭遇した場合は「クマを見ながらゆっくり後退する」「慌てて走って逃げてはいけない」と呼び掛けている。至近距離で襲われたら攻撃を完全に回避する対処方法はないとし、顔面と頭部を両腕で覆い、うつぶせになって致命傷を防ぐことが重要とした。
昨年度の人身被害は全国で157人と過去10年で最も多かった。クマの動物食の割合は1割程度とされるが、今月に入ってから北海道新ひだか町で飼い犬がヒグマに食べられたとみられる被害が発生、秋田県鹿角市でも子牛が襲われ、深刻なエサ不足がうかがえる。
今秋は新潟、石川両県が木の実の凶作や不作を予測。クマと遭遇する危険性が各地で高まっており、油断できない状況が続きそうだ。
8/24(月) 5:30 スポニチアネックス
本紙が行政機関などのSNSを確認したところ、23日は少なくとも群馬、長野、富山、石川各県内で目撃情報があった。秋田では例年より目撃情報が増加したことを踏まえて「ツキノワグマ出没に関する注意報」が発令中だ。
「全体の統計はまだ出ていないが多い印象があるのは確か」とクマの生態を研究するNPO関係者は語る。その一因について「コロナで人間が“巣ごもり”するようになって、里山の草木が普段より茂っている。クマにとっては身を隠すエリアが広がったことで、食べ物が豊富な人里に近づきやすくなったのではないか」と指摘。さらに「クマは警戒心が強いが、人里に出てもコロナ禍で出歩く人の数が減ったことからエサをあさりやすくなった」と分析する。
懸念されるのは人身被害だ。日本に棲息するツキノワグマやヒグマは鋭い爪と大きな歯を持っていて、時速40キロの速さで走ることができる。人間を攻撃するのは基本的には防衛目的とされるが、16年に「スーパーK」と呼ばれた人食いグマが世間を震撼(しんかん)させたことも記憶に新しい。
環境省のクマ類出没対応マニュアルによると、万が一遭遇した場合は「クマを見ながらゆっくり後退する」「慌てて走って逃げてはいけない」と呼び掛けている。至近距離で襲われたら攻撃を完全に回避する対処方法はないとし、顔面と頭部を両腕で覆い、うつぶせになって致命傷を防ぐことが重要とした。
昨年度の人身被害は全国で157人と過去10年で最も多かった。クマの動物食の割合は1割程度とされるが、今月に入ってから北海道新ひだか町で飼い犬がヒグマに食べられたとみられる被害が発生、秋田県鹿角市でも子牛が襲われ、深刻なエサ不足がうかがえる。
今秋は新潟、石川両県が木の実の凶作や不作を予測。クマと遭遇する危険性が各地で高まっており、油断できない状況が続きそうだ。
8/24(月) 5:30 スポニチアネックス